「日本の常識」は「世界の非常識」! 海外営業編② ~中国編~

こんにちは!KEITAです。

今回は日本と中国の「商習慣の違い」についてお伝えしようと思います。

中国での営業生活は日本で働いていた時のやり方とあまり変わりませんでした。

テレアポ→アポ取り→商談→成約の流れです。当時は不動産の営業をしていました。主に取り扱っていたの現地の日本人駐在員向けの賃貸住宅です。それ以外にも、売買、工場の仲介などありますが売上の8割~9割ぐらいを賃貸の仲介が占めていました。

日本企業の駐在員は定期的に入れ替わります。そのタイミングを狙って営業を仕掛けるわけですがこの情報の取得に労力がかかります。普段からその企業のご担当者様から情報仕入れる必要がある為、いろんなイベントに出席して、普段から顔を売らないといけません。しょっちゅうお酒の席にに出ないといけないですし、本当に面倒くさいです。今思えばよくあんなことしていたなと思うぐらい非効率の営業手法です。

途中からあまりにも面倒くさくなってきて、一応上記の営業は頻度は間引きながらも継続していたのですがガラッと営業手法を変えました。

普段から日本企業に接触している会社の日本人と仲良くなっておいて新らしい日本人の方が来るなどの情報が入れば、教えて貰おうと考えました。

例えば、どんな会社が普段から接しているだろうまたは事前に日本人が来る情報が取れる所はどこだろうと考えた際に「新聞屋」(※毎日配達する為)、「引っ越し屋」(※日本人の帰国情報が取れる為)、「広告屋」(※普段から出稿内容の変更など打合せが多い為)あたりは常に付き合っておきたいと考え、担当者さんと仲良くさせて頂いておりました。

ですが、この程度ではまだまだ情報が足りないと考え、そもそもの営業先の企業で駐在員が住む住宅を決定するまでの「過程」を考察してみました。

正直、各企業毎で決まるまでの「過程」が違います。例えば、「うちは次に来る人にいくつか不動産屋を紹介してそこに本人から問い合わせてもらって勝手にやっている」であるとか、「うちは2社指定の不動産会社からの物件を本人に紹介して予算の範囲内の住宅であれば本人の希望で決めた後に会社から不動産会社に連絡するようにしている」など様々な暗黙のルールがあります。

ですが、どの企業も住宅の家賃の支払いなどは会社の「総務部」が行い、ここに日本人が住む住宅周辺の情報が集中します。

「総務部」に仕掛けることにしました。「総務部」は現地の中国人の女性がやっていることが多いです。また、総務部長は出世頭の現地の中国人男性が多いです。自社の中国人女性スタッフを使い、訪問先の企業の総務部に入り込み、情報を取得します。もちろん「タダ」では情報をくれないんだなということはやっている最中にわかってきました。つまり、海外の営業では「賄賂」が必要だということがわかってきました。(※中国では「賄賂」のことを「赤包」と書いて「ファンバオ」と言います。)

思い出して欲しいのですが今回のテーマは「商習慣の違い」です。

日本では営業した際に「賄賂」が必要になることは一部ではあっても多くはないです。

一方、中国人の場合は「会社でもらう給与」と「提供する情報料」は別と考えます。

なかなか日本人には受け入れにくい考え方ではありますが

僕に言わせれば本当に「商売の肝」をよくわかっていますねって感じです。

そうです!それぐらいクリティカルな情報です!

また、一方で迷わずその情報買わせて下さいだと普通の日本人営業マンって感じです。

僕が現地の中国人に指示して行わせたことは何かというとまず、「成功報酬にて支払う」ことに合意させろということです。つまり、弊社をご利用して入居した場合に限り、「成功報酬をお支払いしますよ」ということです。

その為に「あなとの会社の日本人は住む住宅の予算」とどのような過程を経て「日本人が住む住宅」が決定されるのか教えて欲しいと水面下での折衝を続けました。

過去事例 大手企業 T社様総務部の場合

T社では3社程度の指定事業者(不動産会社)に「概ねの住居の予算のみ教え」、日本人が住むの適した安全性、また、通勤が至便の物件を2つずつ提供して頂き、「経済合理性」及び「本人の希望」等を総合的に考慮した上で社内会議及び社内稟議を経て決定しておりますとのことでした。

事前につばをつけてある現地の中国人総務部の女性スタッフと密会を繰り返し、上限予算を聞き出し(※この時は7800元でした)、上限を超えても採用される可能性があるないかを確認して(※この会社では上限を越した場合、無条件で不採用でした)、予算に対し7600元で入札を行い(※実際の賃料は7200元でした)、差額分の400元/月を賄賂を現地の中国人スタッフの彼女に支払い続ける契約に合意させ、実際のT社の社内会議では彼女に他の安い価格で入札してきた不動産会社の対応を非難してもらい、また賃料が安すぎる為、安全性に懸念点があると力説させて無事競り落としました(笑)。

「準備」とは上記のような例を指します。

ポイントはクライアント先の会議にもおそらく出てくるであろう問題、この場合は安い価格で入札がされた際に当然その価格が採用されやすくなるわけですからそれに対する対策を事前に準備しておき、彼女に対応策を仕込んでおいた所にあります。なぜなら、クライアント先の会議に僕らのような当事者は入れませんから(笑)。ですが他の会社の会議であってもある程度予測ができれば「意思決定」を「高い確率」で「支配」することができます。僕らは参加できないからといって勝手にあきらめる必要はありません。

おいしい思いをした彼女はその後も我々のかけがえのないパートナーになって頂き、日本人が来る度に受注させて頂きました。あたかも、開かれた競争のようですが競争する前に既に勝利を収めるのが重要です。僕はあまり競争したくないタイプですから(笑)

普段の営業でも事前に押さえていれば簡単に「成約」に至るケースはあるのでないでしょうか。売るのに慣れてきてしまった頃に「購買決定までの過程」を振り返ってみると面白い発見があるかもしれませんよ!

是非、ご参考下さいね。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です